三陸・岩手のアンコウ
 |
近頃、「鮟鱇」に凝っています。凝っていますったって、お客さんに召し上がっていただくわけで、蛇足ながら、わたしがアンコウ食べるのに凝っているというわけではありません。お客さんにどういう出し方をしたら美味しく召し上がっていただけるか、いろいろと試行しておるというわけです。先日は、常磐地方で云うところの「アンコウ汁仕立て」・・・つまり、アン肝を裏漉ししたものを溶かし込んだ味噌味で召し上がっていただいたのですが、今日は、常磐地方で云う「アンコウ鍋仕立て」・・・つまり、醤油味のだし汁で召し上がっていただこうと思いました。醤油味仕立てのだし汁を作り、味見用に二人前のアンコウ鍋を作って実際に食べてみたのですが、味噌味のアンコウに比べるとちょっとアッサリし過ぎ、言い換えればコクが無い。そこで、考えたのは、やっぱり、アン肝を裏漉ししたものと味噌をちょっと加えることにしました。すると、グッと味に奥行きが出て、美味しくなりました。入れるタイミングは、鍋が沸いてきたところでアン肝を裏漉ししたものを入れて溶かし、続けて味噌を加える。味噌は煮ちゃうと香りが飛んじゃうので、鍋が沸いてきてから、最期の仕上げに入れます。因みに、この味噌は、玉味噌(白味噌に卵黄を割り込んで酒と味醂と砂糖を入れて練り上げたもの)1に対して田舎味噌3の割合でやってみました。(田舎味噌だけだと、召し上がっていただいているうちに段々塩っぱくなってしまうから、玉味噌を合わせる。)アン肝は、とても鮮度の良いものですので、蒸し缶で20分蒸して冷やしたものを、カラシ酢味噌とワサビ醤油の両方で召し上がっていただきました。そして、最期の締めは、雑炊。雑炊には、ヌカ漬けのお新香をちょっこと付けて、これでキマリ!
写真、撮るのすっかり忘れました。どうしても仕事してる最中は写真撮るの、忘れてしまいます。あとで、「あっ、写真撮るの忘れちゃった!あ〜あ、撮っとけば良かった、、、、、。」っていつも思います。そういう訳で、アンコウ鍋の説明に使う素材写真、例えば、ヌノと呼ぶ「卵巣」や、胃袋、皮、鰓(エラ)、肝、ヒレ肉、頬肉など、所為『アンコウの七つ道具』の写真をなかなかホームページに掲載してみなさんにお見せすることが出来ません。
ところで「アンコウ」ってみんなメス(♀)だって知ってました?オスも居ることは居るんですが、どうやらただ生殖の為にだけ存在しているようなんです。どういうことかと言うと、オスの大きさはメスの何十分の一の大きさで、とても小さくて食用には適さないらしんです。だから、魚河岸に出ているアンコウは、みんなメスなんです! |





どうでもいいけど、スゴイ顔してますよね、アンコウって。 それにしても、誰が最初に食ったんだろう? 人類の食文化って興味深いですよね!
|